小さく狭い世界
わたしは、小さく狭い世界に生きている。
新しいことを取り入れようとせず、お気に入りの中で、ぬくぬくと沈み続けている。好きな本は繰り返し読み、好きな音楽もずっと聞き続け、好きな映画も繰り返し観る。何かを生み出すなんてことはしない。得意じゃないし。わたしの周りにあるもので、わたしの全てが完結している。
それでも、二年ほど前に転職し、こんなのやってみたら、とニートを心配してくれた母に勧められ入ったが、驚くなかれ、楽しい。初めはまったくの初心者だから、何が何だかわからず、追い詰められることもあった。大きな失敗も何度もした。それでも、それなりに日にちを重ねれば、毎日の同じようなことの繰り返しで、新しいことをするわけでもなく、小さく狭い世界を生きるわたしにとても合っている。
猫たちと、好きなものたちと、たまに苦になる仕事。それがわたしの世界。小さく、狭い。
小さな部屋でお気に入りものに囲まれ、美しい猫たちと日々過ごしている。写真も料理も、歌うことも飲酒も、人付き合いも苦手。たまに、少ない友人と触れ合い、野良猫に挨拶をすることもある。結局、新しいことを取り込めず、生きているし、これからも続く。そんな生活をしています。